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100人の仕入れリスト #001 割田健一(BEAVER BREAD)

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長年使い続けている材料、思い入れの強い材料、これがなくなると困る!というような材料、どうしてもハズせない材料―――。

『100人の仕入れリスト』は、製菓・製パン分野のシェフの皆さんに、それぞれの「私にとって欠かせない(記憶に残る)材料」を語っていただく…という企画です。常に仕入れリストに居座っているような必要不可欠で大切な材料を、製菓・製パンのシェフにいくつかご紹介いただき、それらの材料の魅力、どのような目的でどのように使っているのか? その材料にまつわる思い出や思い入れの程をお聞かせいただきます。

今回お話いただくのは、東京・東日本橋の「BEAVER BREAD(ビーバーブレッド)」の割田健一さん。材料選びの裏側には常に人とのつながりがあると言う割田健一さんのmust-haveな材料とは?

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割田健一(Kenichi Warita)
1977年埼玉県生まれ、群馬県育ち。高校卒業を目前に控えていた当時、海外で活躍していたサッカーの三浦知良選手を見て「俺も海外で!」と一念発起。当時の自分にとって海外でできる仕事は?と自問した結果に思い浮かんだ職業がパン職人だった。
「ビゴの店」で修業を始め、2006年にプランタン銀座店のシェフに。07年、「モンディアル・デュ・パン」第1回大会の日本代表に選抜。2014年12月、銀座レカンのパン部門「ブーランジェリー・レカン」の開店時のシェフ・ブーランジェに。2017年に独立、東京・東日本橋に「BEAVER BREAD」をオープン。
2021年には地元・群馬の「白井屋ホテル」内に「SHIROIYA the BAKERY」をプロデュース。著書に『「ビーバーブレッド」割田健一のベーカリー・レッスン』(世界文化社)、共著に『低糖質、食物繊維たっぷりでおいしい!おうちで作る大麦粉料理』(小学館)がある。

「材料選び」は、結局人とのつながり

お店では材料のことを声高に謳っていないけれど、お客さんからは「BEAVER BREADは材料にこだわって、色々と考えてパンをつくっている」というイメージがあるみたいなんですよね。そもそも「こだわる」って言葉には違和感があって、普段から本当に材料について考えているのなら「こだわる」とは言わないんじゃないかなぁ。むしろフツーに大切にしているというか。

もちろん、パンは「原材料が命」。おいしいものをつくるためには、おいしい材料が必要だ、という考えがベースにあります。特に、小麦粉、塩、砂糖、バター、牛乳、生クリームといった材料は、パンづくりの軸に位置する材料。こうした主材料はブレずに使い続けているものが多いです。

もちろん変える材料もあるし、新しく使い始める材料もあります。でも、自分は「(生産者と直接つながることを目的とした)食材探しの旅」って、もうあまりしていないんですよね。当たり前の話ですが、食材は人がつくっているので、食材をご紹介いただくと、必ず人間関係もセットで付いてくる。自分はパンづくりのプロだけど、人間関係のプロじゃない。どちらかというと問屋さんのようなその方面のプロが材料やつくり手について熟知したうえで紹介してくださるほうが確実だし、自分もパンづくりに集中できる。

ここでどっしり構えてお店を営業していると、皆さんが良い材料を持ってきてくださいます。持ってきた方が、どんなつながりで、どんな気持ちでその材料を持ってきてくれたのか、お話を聞いていると使うべき材料が見えてきます。その人とのつながりも大切にしたいと思うから、一度気に入ったものはそうそう変えない。変えられないですね。

そんな僕と、僕の仕事を支えてくれている食材やモノを紹介します。

essentials of Kenichi Warita

  1. キタノカオリ[江別製粉]
  2. アマゾンカカオニブ[ラ・カーサ・ディ・テツオ オオタ]
  3. ファリーヌドムールT(タイプ)110[MOULIN DE BRASSEUIL/アルカン]
  4. 低温殺菌牛乳(66℃30分間殺菌)[タカナシ乳業]/低温殺菌牛乳(63℃30分間殺菌)[東毛酪農業協同組合]
  5. 海人の藻塩[蒲刈物産]
  6. 塩(天日)[石垣の塩]
  7. ミスロール[アイリード/ローリング]
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1.キタノカオリ[江別製粉]

使い続けることって大切なんですよね。

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北海道・本別町の前田農産食品さんが栽培し、江別製粉さんが製粉している小麦粉です。パンやお菓子をつくる人はきっと良く知っている会社ですよね。「キタノカオリ」は名前の通り、「キタノカオリ」を100%使用した強力粉。もちっとしているのにふわっとした独特な食感にパンが仕上がるんですよ。生産量が少ない希少な材料ですが、僕のパンにはこの粉が欠かせない。ずっと使っています。

BEAVER BREADのパンは、一部の人から「割田パン」とか「割パン」って呼ばれているらしいんですよね。どうやら僕のパンに何らかの中毒性があるみたいで。

…それって何なんだろうって思います。ウチとしてはそんなに特別なことをやっているわけではないし、めちゃめちゃ時間をかけているわけでもなく、わりとクイックにつくっていくわけですよ。だからきっとそれって原材料のおかげだったりするのかなぁと。

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「パン・ド・ミ 」

小麦粉や塩や砂糖など、出来上がりでは直接見えてこない原材料こそ、お客様の口に入った時に「他のパンとは違うなぁ」と思わせる要因となるんだと思います。材料単品だと必ずしもパンチがあったりするわけではないんです。それらの材料のバランス調整というか落とし所をみつけるのが自分は非常にうまいのかもしれない。あとは、意外と値段を気にしていないな(笑)。良いと思った材料は、値段を気にしないで使い続ける。その揺るぎない強さを普通に大事にしているのかもしれないですね。自分の気に入った材料を使っていることが、食べてくれる人にとっても良いことにつながるんだと思う。

そして、生産者や材料を持ってきてくれる人たちに目を向けると「使い続けること」がとても重要なことに感じます。材料をつくってくれる人、運んでくれる人、伝える人のために、使い続けたい。信頼関係の上で生産量と販売量をキープしなければならないという使命感を持っています。そのために売れるものをつくらなければならない、と常に自分に言い聞かせています。

2.アマゾンカカオニブ[ラ・カーサ・ディ・テツオ オオタ]

材料の背景には人がいる。その人を信じられるかどうかだと思います。

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「アマゾンカカオ」も輸入が始まった頃から使っています。太田哲雄さんという、イタリアやペルーで修業した料理人さんが、ペルー北部のカカオの産地から直接、日本に自分自身で輸入しています。カカオの生豆、カカオニブ、カカオマス、カカオバターなど、チョコレートになる手前の様々な状態で輸入している。現地の人たちが付加価値のつくような高品質な加工ができるよう、太田さんは定期的に現地を訪れて、生産者の方々とコミュニケーションを図っています。

僕はアマゾンカカオを信じていて、これも使い続けています。この「信じる」って何だろうというと、ものの背後にいる人を信じているということだと思います。つまり、太田さんだったり、太田さんが信じているカカオ生産地の人たちだったりへの信頼感なのかな。

今は沢山の料理人、パティシエやブーランジェがアマゾンカカオを使っています。それは「みんなが使っているから、自分も同じものを使う」という感覚ではなくて、きっと皆さん「自分がいいと思っているモノ・コト」を、世の中の人も同じようにいいと思っている、という流れの現れだと思うんですよね。

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「カカオニブメロン」

今、自分は44歳になりました。10代からパン業界に入って、世の中における自分の立ち位置が年齢にしたがって変わっていくのを感じています。多分40代の今が、体力や気力が充実していて、積み重ねた経験も生かせる時期なんでしょうね。…言ってみれば「自分の時代」。自分が「こうだ!」と思ったことが世の中の人にもハマる、そんなお年頃なんだと勝手に思い込んでいるんです。

50歳になったら、また考え方も変わっていくはず。来るべき50代のために、今は徐々に準備を始めているところ。

3.ファリーヌドムールT(タイプ)110[MOULIN DE BRASSEUIL/アルカン]

パン職人の理想像との、出会いのきっかけになった粉なんですよ。

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「ファリーヌドムールT(タイプ)110」はフランス産のオーガニック小麦粉です。全粒粉に近い精製度なので、BEAVER BREADではカンパーニュに使っています。

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この小麦粉を使い始めたのは、「ビゴの店」で働いていた時代の忘れられない思い出から。

フランス西部の都市ナントに「La Petite Boulangerie」というパン屋さんがあって、フランク・デペリエさんという方がそこの店主なんですね。

そのデペリエさんが日本で講習会をすることになり、僕がアシスタントにつくことになりました。僕が26~27歳の頃だったと思います。そのときデペリエさんが指定した小麦粉が「タイプ110」。商社に連絡して、この小麦粉の手配をするところからスタートしました。とても香り高い小麦粉で、こんな小麦粉があったのか! と驚きました。でも、僕が今でも使い続けているのには別の理由があって。

東京と関西の講習会アシスタントとして1週間ほど一緒に過ごしただけですが、僕がデペリエさんの人間性や、パン職人としての姿勢をリスペクトするのには十分な時間でした。いろんな職人を見てきた中で最も好きで、目標としたい人です。

MOFという国家資格も持っている職人さんで、なおかつパン職人としてきちっとしているし、考え方もしっかりしている。腕もいいし、雰囲気もいいんです。

朝の3時に出勤して、一回抜けて朝には子供を幼稚園まで送ってから店に戻り、夕方にはもう一度家に帰って子どもたちと過ごして、また夜には店に戻ってレジを閉める…みたいな、これぞ「パン職人」という生き方をまっとうにやり続けている人なんです。当時も「しんどいんだよ」とか言ってましたけど、その同じ生活を2年前に会ったときにもまだ続けていましたね。

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「クランベリーと苺のWベリー」。リュスティック生地には基本的に「タイプ110」を使っている。

まっとうにパン職人としてパン屋をやっている人。これって本物なんじゃないかなぁって。パン職人にとって、お店を維持するためにもデペリエさんのような生き方や暮らし方しかないんだろうなぁと思ったんですよね。こういう人が「職人」なんだろうなぁ。

師匠でもなんでもないんだけど、僕にとってデペリエさんは、自分のモデルとなる人、ずっと忘れない人、良いエッセンスを得られる人。変わらずに今でも尊敬しています。

その人が使っていた材料だから、リスペクトも含めて大切に使い続けたい。「タイプ110」は僕にとって、そんな小麦粉です。

4.低温殺菌牛乳(66℃30分間殺菌)[タカナシ乳業]/低温殺菌牛乳(63℃30分間殺菌)[東毛酪農業協同組合]

パン職人の理想像との、出会いのきっかけになった粉なんですよ。

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2019年ぐらいまでは、うちでも加工乳とか使っていたんですよ。ですけど、低温殺菌牛乳でつくったクリームの滑らかさや美味しさが、お客様には伝わるんじゃないかなぁと思って、今では低温殺菌牛乳を使っています。

目に見えないけれど良い材料を使うことで、お客様の口に入ったときに…いや、お客様が他のパンを食べたときに「あれ?」と気づく。それによってうちのパンを食べ続けてくださる。そう信じています。

「よくわからないんだけど、なんかBEAVER BREADのほうが美味しいんだよね…」というくらいのほうが「勝つ」気がする。そのためにも、いい材料、自分がこれだと思った材料を使うことにしました。

バゲットとか他のパンも、焼いた当日より、3日後ぐらいに食べたときに他のパンとの違いを感じてもらえるんじゃないかな、たぶん。

別のところでも話しましたけれど、材料についてのアナウンスはうちの店では一切やっていないんです。だけど、うちに来てくださるお客様って、BEAVER BREADはきっと良い材料を使っているんだろうと思ってくださっているのは感じるし、その気持は裏切れないですよね。

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BEAVER BREADでは材料を説明しないということを意識的に選択したんですが、次につくる店では「材料からつくり方まで、とことん説明し尽くす」というスタイルを試したいと思っています。オープンキッチンで、生地を練って、成形して焼成して…というところまでが全部見える。
目の前のパンが、どんな材料を合わせてどうつくっているかを分かることで感じられる「味」というのもあると思っています。材料も作業も全て見せる。それがこれからの「信用」につながるような気がするんですよ。

5.海人の藻塩[蒲刈物産]

パン職人の理想像との、出会いのきっかけになった粉なんですよ。

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「海人の藻塩」は、広島県・瀬戸内海の上蒲刈島というところでつくられた塩です。ホンダワラという海藻を使ってつくられるから「藻塩(海藻浸漬法藻塩)」といわれています。これは好きでずーっと使わせてもらっていますね。

特徴はナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルの多さ。成分を見ると、ミネラルが多いということで有名な、フランスのフルール・ド・セルよりミネラル分が多い。この塩をパンの仕込み水に入れると、エビアン(ミネラル分が多いことで知られるフランスのミネラルウォーター)と同じくらい…もしかしたらそれ以上の硬水になる。さらに、国産小麦ととても相性がいいんです。うちのパンには欠かせない材料ですね。

自分の店を始めたからには、自分の欲求や直感に正直に仕事するようにしました。好きなことはとことんやればいい。好きなものは使ったほうがいい。一つのことを追求することで、見えてくるものも多くて、何より豊かじゃないですか。

自分の子供にもそう言っています。「勉強なんかしなくてもいい。もしサッカーが本当に好きだったら、朝から晩までボールを蹴っていてもいいんだ」って。通知表も気にしません。

でも、僕がそう言った直後に、なんと息子が自ら望んで塾に行き始めた(笑)。マジかよって思いましたね。まあそれが息子のやりたいことならね、別にいいんだけど…。

6.塩(天日)[石垣の塩]

自分の気持ちを乗せるための材料。この塩がまさにそれかなぁ。

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先ほど、パンに使う塩として「海人の藻塩」を紹介しました。使っている塩はもう1種類あって、それがこの石垣島の塩です。例えばバゲットの場合、粉1kgに対して塩20gぐらいを使います。その半量が「海人の藻塩」、あと半分はこの塩です。この塩を使う理由は単純で、石垣島の塩だから。石垣島へはオフの旅行で行ったんですが、本当にいいところで…いい場所だったなあ、っていうのが理由です。

なんかちょっと話がずれるかもしれないですが、昨年の11月にジョン・レノンのドキュメンタリー番組を観たんですよ。ちょうどBEAVER BREADが4周年のタイミングでした。あれからもう3、4回見返しています。ビートルズ時代とソロ時代のジョン・レノンを比べるシーンのときに、プロデューサーがこう回顧していたんですよね。「ビートルズ時代はビジュアルやプロモーションなどのことも踏まえて、細かくつくり込みながら楽曲をつくっていたそうですが、ソロで活動し始める直前ぐらいの時期には、ジョンはもっと直感的に音楽をつくりたがっていた」って。

実際、ソロ活動が始まってからは、技術的なこだわりを捨てて、すごくシンプルに、一曲を一日でつくってしまった…みたいな感じだったそうです。それを観て「…すっげえなぁ」と。今までジョン・レノンについて知っているようで知らなかったので、そこから2~3カ月はジョン・レノンについて書かれた書籍を読み漁ってました。そんな中、ジョンは技術的なこととか、作曲の理論などはひとまず無視して、自分がいま思っている気持ちをすぐに聞いて欲しかったのかも、と思うようになった。

実は、その頃のジョン・レノンがやっていたことって、BEAVER BREADがやってきたことと似ているなぁと思ったんです。パンでいえば、材料や製法のセオリーをすっ飛ばして、今日こんな気分だったからこんなパンをつくってみた! みたいな。

自分もそういうふうにやってきたのかもなぁ。そういうものづくりってありなんだなぁと。俺はけっこう間違っていなかったのかもなぁと思えました。それがすごい嬉しくって。ちょっと分かってもらえるか分からないけれど、僕にとっての石垣の塩を使う理由って「その日の気分をパンにのせる」ことにつながっているんですよね。石垣が自分の中で一番の場所だから、石垣の塩を使う。そういう理由でもいいじゃんって。極端な話、そろそろフランスが恋しくなってきているので、フランスの塩に戻してもいい。そんな感じです。

7.ミスロール[アイリード/ローリング]

仕事をしているのは“手”だということを、改めて感じています。

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株式会社ローリングという会社のハンドクリームです。この会社は主に天板とか型とかに吹き付けるスプレー型の油などを販売している会社なんです。そこが扱っているハンドクリーム。家族経営の会社で、会長さんや社長さんは女性なんですが、たとえばお食事にご一緒すると、席に着くや皆さん「ミスロール」を手とか唇とかに塗ってケアする。それで知りました(笑)。僕も身近なところに置いておき、気がつくたびに塗っています。

ハンドクリーム、この他にも色々持ってます。Aesopのハンドクリームは香りも好き。皮膚科から処方してもらってるものもあります。手の荒れは、若い頃はそこまで気にしてなかったんですよ。でもあるとき、自分やレジのスタッフの手がガサガサに荒れていたら、お客様はどう感じるだろう?と、考えるきっかけがあって「食べものをつくっている俺は、手を綺麗にしてないと」ってことに改めて気がついて。

お寿司やさんの手は綺麗ですよね。手で作業する仕事だから。それと同じくらいパン屋も手で作業する仕事です。しっかりとケアして綺麗にしていないといけない。荒れた手肌ではいけないということを再認識しました。

ピークはまだ先。これからやりたいこと。

僕は今44歳で、世間的には脂の乗った時期だと思うし、僕自身もそんな自覚はある。実際になってみないと分からないけれど、僕は体力とかセンスのピークが50歳だと思ってるんです。そこで昨年(2021年)に気合いを入れ直しました。「50歳になるまでは自分たち(世代)の時代だと思うからイケイケで行こう」って。

生活習慣も変えました。それまでは仲間と夜中までご飯を食べに行ったりもしていたんですが、いまは20時半には就寝して、2時に起床、3時過ぎに仕事場に来て、朝6時にスタッフが来るまで一人でパン生地をつくっています。僕が尊敬するパン職人、フランク・デペリエさんも、朝早くからパンと向き合っていました。生地と向き合いながら、感じて、考える時間がすごく楽しいです。

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また少し話は逸れるんだけど、僕、ビートたけしさんが大好きなんですよ。だから(2021年12月公開の)Netflix映画『浅草キッド』を心待ちにしてたんです。あれ、めちゃめちゃ面白かった、いい映画でした。『浅草キッド』の中で、人間どこかで自分を信じてスイッチを入れる瞬間がある、というようなことを言うシーンがあるんですよね。ゾクゾクしました。僕もまさに、自分の「スイッチを入れ直すぞ」と思っていたから。スイッチ、ありますよね。人間の魂のどこかに。

ピークの50歳を超えて、52歳くらいになったら、すべてをリセットするのもいいなと思っています。パンをつくり続けることだけは変わらないけれど、その歳になったときに今とどう違って、その先どう変化していくのか、ちょっと楽しみですね。

article=Reiko Kakimoto / pictures=Kousuke Kobayashi

BEAVER BREAD(ビーバーブレッド)
東京都中央区東日本橋3-4-3
8:00-19:00(土日祝は-18:00)
月火休
https://www.instagram.com/beaver.bread/?hl=ja