製菓製パンのプロ向け仕入れ オーダリーへようこそ

風待月 (KazeMachiZuki)

暑くなり、風が吹いてくるのが待ち遠しい月

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大山シェフのフィナンシェ・ミエル

イデミスギノ、アカシエで修行し、現在は東京日本橋Patisserie ease他複数の店を営む大山恵介シェフの「フィナンシェ・ミエル」の決め手。

偶然な世界の不思議な出会い

アルコール醸造に欠かせない酵母。酵母が糖分をアルコールに変える力を持つようになったのは約1億年前のこととされています。定説では樹液に含まれる酵母細胞の結合が始まりとされています。そしてその結合が「全ゲノム重複」と呼ばれる遺伝子上の現象を引き起こしました。全ゲノム重複とは全遺伝子が倍加する現象のことで、生物の進化の可能性を高める一大イベントです。これにより酵母はグルコースをアルコールに変えることができるようになりました。それから長い年月を経て、人類はこの酵母と甘い果実によるアルコールと出会います。

「この、野生のゴマめ!」

ゴマは人類最古の耕作作物のひとつで、ゴマ属に属する植物は現在45種類ほどあるとされていますが、そのうち食用になる栽培ゴマはセサムム・インディカム(Sesamum indicum)のみです。セサムム・インディカムは約4000年前にインダス川沿岸のハラッパ(現在のパキスタン)で最初に栽培されたと言われています。
インドの一部で用いられる「jartila」という罵り言葉は「野生のゴマ」という意味で、セサムム・インディカムを除く44種の野生ゴマからはほとんど油がとれないことから、「役たたず」を指す言葉として使用されています。

生涯一度だけ咲く花の甘味

アガベとはメキシコ合衆国を中心に広がる植物で、その語源はギリシャ語の「agaue(高貴な、貴族)」。日本では竜舌蘭の名で知られています。
また「Century Flower(世紀花)」という愛称からも推察できるように、アガベは開花に長い時間を要します。長ければ数十年という時を経て一生で一度だけ開花し、花を咲かせるとその姿のまま石化したように枯死してしまうのです。同様の生態を持つ植物は非常に稀で、アガベの他にはアンデス山脈に生息するパイナップル科のプヤ・ライモンディが挙げられます。
食用としてのアガベの発見は、太古の昔に起きた山火事がきっかけ。焼けたアガベのピニャ(根茎)から甘い香りがしたことから、アガベには糖分があり、熱を加えると甘くなるということが偶然発覚されたと言われています。

プディングの固さと味

味の感じやすさを表す「呈味効率(ていみこうりつ)」は、ゲル物性が脆弱なほど高くなるため、ゼリーは柔らかければ柔らかいほど素材の風味を強く感じるとされています。そのため、たとえば牛乳よりもゲル物性が弱いアーモンドミルクでプディングをつくることで素材の風味(アーモンドミルクの場合はアーモンドの芳香成分であるベンズアルデヒドなど)を強調することができます。

痛いから美味しいは身体からの愛情

辛味成分は辛味受容体 TRPV1という場所を活性化させ、痛みとして認識されます。辛いものを食べた時、脳内ではその痛みを和らげようとベータエンドルフィンという鎮痛物質が放出されます。これはがんの末期症状の患者に対して痛み止めに使われる「モルヒネ」と同じように快感を与える働きをするもので、これが痛みを代償にしてまでも辛さを欲する原動力になります。

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田中シェフの仕入れリスト

突破口がみつかる瞬間や、新しい発想が生まれる過程が、TOLOPAN TOKYO(トロパン トウキョウ)の田中真司シェフの仕入れリストがら見えてきます。

トムソン氏のアイデア

現在多くのパティスリーで使用されるケーキ用の折箱、通称「トムソン箱」。これを開発したのがジョン・S・トムソン氏(米・トムソンマシン社)です。かつてのパティスリーには化粧箱として完成しているものしかありませんでしたが、これを各店舗で必要な時に必要なだけ組み立てることができるよう「箱の展開図」にしたのがトムソン氏でした。自動平盤打抜機で板に溝を掘り、その溝に鋼の刃物を埋め込んだ「トムソン型」を用いて印刷物を型抜きするこの手法は、1909年に発明され、日本には3年後の1912年に輸入されました。以来、西日本のメーカーを中心にこの手法でつくられた箱は「トムソン(箱)」と呼ばれ親しまれています。 一方、東日本ではトムソン社ではなく独・シュナイダー社のビクトリア印刷機を型抜き用に改造した機械を支持する傾向にあり、同じ型を指す呼称として「ビク型」が定着しています。

破壊音によるおいしさの感じ方

サクサク、ザクザク、カリカリなど、骨伝導で感じられる咀嚼時の物理的な破壊音は美味しさの感じ方にも影響を与えると言われており、2007年の長野県工業技術総合センターによる研究報告では、咀嚼音をわざと強調して聞かせると人は実際の食感と異なる印象を受け取るとされています。音と食感の関係性を意識し、意図的にコントロールすることで新たな美味しさをデザインすることも可能になるかもしれません。なお、食感を表す言葉を検討した研究によると、日本では2021年までに世界で最も多い445語ものテクスチャ(食感)用語が確認されています(中国語は144語、フィンランド語は71語、フランス語は224語)。

胡椒の活用

パイパーニグラムという木から採れる胡椒の実。その収穫時期や処理方法によって、緑・黒・赤・白の4つに分類されます。胡椒の香り成分である精油や辛味成分であるピペリンとシャベリンは未熟果の果皮に多く含まれるため、その刺激が最も強いのは実が熟す前に収穫して日干しした黒胡椒、反対に熟した後の実を加工する赤胡椒や完熟果の果皮を取り除いた白胡椒はマイルドな辛味と香りが特徴です(緑胡椒は黒胡椒よりも若い実を収穫し短期間でフリーズドライ、もしくは塩漬けにしたものでフレッシュな香りと辛味が特徴)。また「ピンクペッパー」と呼ばれるスパイスは、コショウボクというウルシ科サンショウモドキ属の植物やセイヨウナナカマドというバラ科の植物の実を乾燥させたものを指し、厳密には胡椒ではありません。 胡椒にはシトラス系のレモン香が多く含まれるためフルーツと相性が良く、たとえばイチゴと合わせればスパイシーなパンチを加えるだけでなく、イチゴに含まれる香気成分フラネオールのインパクトを強める役割も果たします。

Quelle est votre madeleine?(プルースト効果)

”Quelle est votre madeleine?”(あなたのマドレーヌは何ですか?) フランスの作家マルセル・プルースト著『失われた時を求めて』という小説の中で、主人公がマドレーヌを紅茶に浸した際、その香りで幼少時代を思い出す場面があり、その描写が元になっているフレーズ。話の中で昔を思い出したり、楽しかった思い出をたずねる時に使います。
匂いだけが五感の中で唯一感情・本能に関わる「大脳辺縁系」に直接伝達されます。そこには記憶に関連する「海馬」があり、そのために匂いはリアルな感情をともなった追体験を想起させるきっかけとなります。
店内に入った時の情景/ 夏の青空/ 白い砂浜/ 照りつける陽光

樽熟成

ヴァニリン(ヴァニラ)、ラクトン(ココナッツミルク)、グアイアコール(燻製香)、オイゲノール(クローブ)、フルフラール(キャラメル)、エランジンタンニン(穏やかな渋み)、クマリン(苦味)etc.

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割田シェフの仕入れリスト

BEAVER BREAD(ビーバーブレッド)の割田健一シェフにとって欠かせない、彼の仕入れリストの常連であるような材料たち。顧客、材料の生産者、問屋、職人としての理想像、その日の気分、自らの直感。それらを信頼すること、されること。パン職人として大切にしたいことが、一つひとつの材料選びとつながっています。

nuts(仁)

ナッツとは木の実の種子の中身のことで、一般的に「仁(カーネル)」と呼ばれる部分を指します。「ナッツ」として学術上で分類される食べものは世界に8種。ちなみにピーナッツは「豆」なので「ナッツ」には分類されません。

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植﨑シェフのガトーフェルモ

2017年クープ・デュ・モンド準優勝チームのひとり、植﨑義明さん。ラ リヴィエ ドゥ サーブルの「ガトーフェルモ」は、材料の開発から手がけられたそうです。

甘さ≠糖度

甘さを控えるために砂糖の量を減らすこともひとつの選択肢ですが、糖度が下がり食品の日持ちや食感などを損なってしまいます。このようなときには、砂糖の代わりに低甘味な糖質を使い、糖度を維持しながら甘さを抑えることが大切です。

ローヌのミストラル(乾燥した冷風)

北から南に流れるローヌ川と、その周辺に広がる広大なブドウ畑で知られる南フランスを代表するワイン産地。ワインだけでなく、果実栽培も多く行われています。 ローヌ渓谷から地中海に吹き抜けるミストラル(乾燥した冷風)は雨上がりの畑を乾かし、カビなど湿気由来の病気を防いでくれます。またこの風が非常に強いため、果実の大きさも自然と小さくなり風味が凝縮します。

はたらく材料

シェフの代わりに仕事の一部を引き受ける材料。

バラ科サクラ属

バラ科サクラ属の植物には、アンズ・ウメ・サクランボ・プラム・モモ・プルーン・アーモンドなどがあります。外側の果肉(外果皮)は柔らかく、中心に固い種子(内果皮)が1粒入っているという点が共通しています。

シングルプランテーション

ひとつの農園に限定したカカオ豆でつくられたチョコレート。
そのアロマは、ワインのように収穫年ごとに変化します。

クロップスの特徴

クロップス社の冷凍ピューレの一次加工は、褪色を防ぐことを目的として、収穫から冷凍までにかかる時間を短縮する努力を重ねています。例えば、センガセンガナ種を使ったフレーズ(ストロベリー)はポーランドが産地で収穫後24時間以内に、フランボワ―ズ(ラズベリー)の産地はセルビアで収穫後12時間以内に、それぞれ冷凍しています。

ボワロンの特徴

加糖したレ ヴェルジェ ボワロン社のピューレには、てんさい糖を原料にした転化糖シロップが使われています。ショ糖を果糖およびブドウ糖に加水分解した転化糖は、ショ糖と比べて甘味が強く結晶化しにくいという特徴を持つため、ピューレに使う際には、原料本来の甘さが引き出されやすく、原料と糖が混ざりやすいという特徴があります。

ルサッフル社、サフ

自然界に生息する酵母のなかから、出芽酵母の一種であるサッカロミセス・セレビシエを中心にパンの発酵に適したもののみを凝縮したのがパン酵母、通称“イースト“。ルサッフルは、その存在と活用法を世界中のベーカリーに浸透させた世界最大の発酵分野企業です。
およそ170年に及ぶ歴史を持つルサッフルは、現在50カ国以上に拠点を置き、食から医療分野まで様々な環境における「発酵」の力の探究に力を注いでいます。

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小麦粉、国際情勢、文化

世界的な需要を抱えるグローバルな材料、小麦粉。
地理、情勢、経済、そして食文化との関わりを知ることで小麦粉の景観が立ち現れます。

狙いどおりの品質で口まで届ける

味わい、香り、デコレーション。それらの劣化を防ぎつつ食べ手へと届けるために考え抜かれた材料と道具。

天日干し

天候に左右されるため品質管理が困難で均一に仕上がりにくい一方、自然エネルギーを使うためコストが低い乾燥方法です。

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食文化の翻訳技術

乳製品歴わずか150年の日本へ、海外の乳製品をその国の食文化とともに届けるために、文化的な“翻訳”が必要だった。

高温焼成でも失われない香り

香料メーカーでは一般に「耐熱性のある香料」を「〇〇オイル」と呼びます。
ラストノート(後に残る香り)が強く、香りが長期間持続するのも特徴です。

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非加熱に適した香り

エッセンスや抹茶は、耐熱性がないため焼き菓子には向かないものの、トップノート(最初の香りの立ちあがり)が強く、口に入れた瞬間に香りが広がります。

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パンとは何か?を考える

何をもってパンと呼ぶか。米粉メーカーが出したひとつの答え。

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鮮度保持剤を探す前に

鮮度保持は、自分のお菓子を知ること、自分の環境を知ることから始まります。

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単一品種

カカオにはじまり、レーズン、アーモンド、小麦粉に至るまで。品種には背景や個性がある。

カカオバターとカカオマス

カカオマス+カカオバター=「カカオ分」。
カカオマスはチョコレートの味や香りをつくり、カカオバターは口溶けに影響します。

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冷凍

冷凍の急速化や再現性の高い凍結方法など、
冷凍技術の進化にともない材料へのアプローチも変化しています。

春の訪れ

色、味、香りで季節を演出する。

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有機JAS

有機JAS認証とは、材料それ自体ではなく、
それらを生産するために経てきた「工程」を評価する制度です。

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固めることの意味

材料の食感を強めることで、味わいの感じ方も変化します。

カリフォルニア産

世界最高水準の生産性を誇る農業地帯、セントラル・バレーを有する雄大な土地。

ベルギーで加工

チョコレートのメッカが生み出す、製菓材料のバリエーション。

干し草育ち

干し草を食べて育つ母牛の乳は、白さが際立つ乳製品に仕上がる。

黄色い乳製品

乳製品が黄色みを帯びるのは、カロテンを含んだ青草を食べて乳牛が育っているから。