自然に落ちた種や捨てられた種から、種子親を超える特性を持つ偶然発見された品種を「偶発実生（ぐうはつみしょう）」と言います。これは人間が両親を選んで交配し得られる『人為交雑』、人間が関与していない野生下や果樹園での近縁種間の交雑といった『自然交雑』または『自然交雑実生』とは違い、人間が改良や播種などの目的意識を持たずに得られた実生のことです。たまたま個体が人間にとって果樹として優秀な形質をもち、利用される場合が多いです。『二十世紀梨』がゴミ溜めに生えた偶発実生としては有名です。他にも林檎の王林、桃の大久保、柑橘の日向夏、梅の南高などがあります。