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#BP

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イングランドやヨーロッパではビール醸造所やパン屋の酵母が使用できましたが、独立前後の北米ではビールの醸造所もパン屋も少なく、酵母の入手は困難でした。パンは主食であり、発酵に失敗するということは避けて通りたかったため、当時の主婦たちは酵母以外の方法でパンを膨らませる化学的な膨張剤を求めていました。灰汁から取れる初期の膨張剤である真珠灰(炭酸カリウム)や酸性塩、アルカリ塩、無機塩類、雄鹿の角から採った炭酸アンモニウム(鹿角精)、ベーキングソーダなど化学的な膨張剤は改良され、大きなビジネスとなっていきました。
そんな中、エミール・ハンセンが開発した方法によって、1880年から1900年の間に130種の酵母が確認され酵母の純粋培養法が確立されました。つまり、酵母はどこでも手に入れることができるようになったのです。ビール、ワイン、パンなどの食品の製造に起こった大きな変革、パン作りにおいても失敗のリスクが軽減され、より生産性が高まる変革でした。一方でパンに酵母が存在することは危険で命に関わることもあると、この大変革に抵抗する人々もおり、化学教授のエベン・ホースフォードも酵母恐怖症の1人でした。
彼は酵母は人体に有害なため食品に使用するのは避けるべきだと信じていました。ビジネスパートナー2人と起業し、1856年に重炭酸ナトリウムとリン酸2水素カルシウムによる化学的膨張剤、ベーキングパウダーを生み出しました。アメリカという新大陸の不便さ、ビジネス精神そして新しいものへの恐怖がなければベーキングパウダーは生まれていなかったかもしれません。

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