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#ゲル化剤

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水分や液体を網目構造に閉じ込め、液体と個体の中間のものを作るゲル化剤。ゲル化温度によって作業性が、ゲル溶解温度によって口どけが変わります。
今回は、食品によく使われるゲル化剤をマッピングしました。

気になるゲル化剤をタップすると、その詳細を読むことができます。

Map
メチルセルロース ゼラチン (魚) ゼラチン (豚・牛) キサンタンガム カラギーナン HMペクチン HAジェランガム 寒天 LMペクチン LAジェランガム グルコマンナン アルギン酸ナトリウム

メチルセルロース 図に戻る

メチルセルロースは、セルロースの骨格にメトキシ基がついた構造をもつ高分子多糖類。
冷水に溶解し、高温でゲル化する特徴がありますが、熱水には溶解しません。

【溶解温度】30℃以下-5℃以下
【ゲル化温度】80℃以上
【再溶解温度】13℃以下


ゼラチン(豚・牛)図に戻る

動物の骨や皮に多く含まれるコラーゲンを熱水で抽出したタンパク質が主成分。
口どけが良いのは、再溶解温度がちょうど人の体温程度のため。
高温で煮沸またはpH4(ヨーグルト、果汁ジュース、ビールくらい)以下の酸性になると分解されて固まりにくくなります。

【溶解温度】50-60℃
【ゲル化温度】15-25℃
【再溶解温度】25-35℃


ゼラチン (魚)図に戻る

魚の鱗や皮から抽出されたゼラチン。
魚由来ゼラチンは牛豚などの動物性ゼラチンに比較して再溶解温度が低めなため、口どけが良く、味や臭いもほとんどありません。
高温で煮沸またはpH4(ヨーグルト、果汁ジュース、ビールくらい)以下の酸性になると分解されて固まりにくくなります。

【溶解温度】50-60℃
【ゲル化温度】15-25℃
【再溶解温度】20-30℃


キサンタンガム図に戻る

ローカストビーンガムと併用することで、ゲルを形成する性質を得ることができます。
温水はもちろん、冷水にも溶け、耐熱性・耐酸性・耐塩性・冷凍解凍耐性があるため、さまざまな条件に対応可能です。

【溶解温度】冷水、温水どちらにも溶ける
【ゲル化温度】40-60℃以上
【再溶解温度】50-70℃


カラギーナン (アガー)図に戻る

スギノリ科紅藻中の多糖類が主成分のゲル化剤。
カラギーナンが持つ成分には、カッパ型(固いゼリー状に固まる ミネラルや牛乳のカゼインに反応し固まる性質がある)、イオタ型(粘りや弾力があり、ジャムのように柔らかく固まる)、ラムダ型(保水性が高くアイスクリームなどの増粘剤に使われる)の3種類があり、各アイテムごとにそれぞれの成分の比率が異なっています。

【溶解温度】70℃
【ゲル化温度】40℃
【再溶解温度】50-70℃


グルコマンナン図に戻る

コンニャクイモ(Amorphophallus konjac)の塊茎に約10%含まれる水溶性多糖類。グルコマンナン溶液に凝固剤(水酸化カルシウム)を添加し、加熱することで、熱不可性のゲルを形成します。
食塩、pH、熱の影響を受けにくく、優れた保水性や高い粘性を持ちます。

【溶解温度】80℃以上
【ゲル化温度】温度によらず、水酸化カルシウムなどの凝固剤によってゲルを形成
【再溶解温度】100℃以上


寒天図に戻る

テングサ科、オゴノリ科の紅藻中の多糖類が主成分のゲル化剤。
再溶解温度が85-95℃と高く常温でも固体を保つので、歯切れの良い硬さを持ったゲルを形成します。
強い酸性(pH3.0-4.0以下)または加熱時間が長くなると固まりにくくなります。

【溶解温度】90℃
【ゲル化温度】30-45℃
【再溶解温度】85-95℃


アルギン酸ナトリウム図に戻る

アルギン酸は、コンブやワカメなどの褐藻類から抽出できる天然の多糖類で水溶性食物繊維の一種。そのアルギン酸に炭酸ナトリウムなどを加えて製造されたのがアルギン酸ナトリウム。乳酸カルシウム水溶液や塩化カルシウム水溶液などと使われ、水溶液中のカルシウムイオンと速やかに反応し、ゲル化します。

【溶解温度】室温
【ゲル化温度】温度によらず、カルシウムイオンとの反応によってゲルを形成
【再溶解温度】100℃以上


HAジェランガム図に戻る

ジェランガムはグルコースなどを栄養源にスフィンゴモナス・エロディア(Pseudomonas elodea)という微生物を培養し、発酵によってできた多糖類を分離・精製して作られるもの。発酵後、脱アシル化工程を経て精製されたものがLAジェランガム(脱アシル型ジェランガム)で、一般的にジェランガムと呼ばれるのはこのタイプです。脱アシル化工程を経ないものが、HAジェランガム(ネイティブジェランガム)です。
HAジェランガムによるゲルは弾力が強くしなやかなのが特徴。ゲルの見た目は不透明で、離水防止に多く使われます。

【溶解温度】85℃
【ゲル化温度】70-80℃
【再溶解温度】75-90℃


LAジェランガム図に戻る

ジェランガムはグルコースなどを栄養源にスフィンゴモナス・エロディア(Pseudomonas elodea)という微生物を培養し、発酵によってできた多糖類を分離・精製して作られるもの。発酵後、脱アシル化工程を経て精製されたものがLAジェランガム(脱アシル型ジェランガム)で、一般的にジェランガムと呼ばれるのはこのタイプです。脱アシル化工程を経ないものが、HAジェランガム(ネイティブジェランガム)です。
LAジェランガムによるゲルは硬くもろいのが特徴。ゲルの見た目は透明で、冷凍耐性はありませんが耐酸性、耐熱性があります。

【溶解温度】90℃
【ゲル化温度】30-40℃
【再溶解温度】100℃以上


HMペクチン図に戻る

リンゴやレモン、オレンジなどの柑橘類の皮を原料とする多糖類が主成分。
HMペクチンは多量の糖分を加え (糖度65度以上)、適度な酸性の状態(pH3.5以下)で加熱すると、常温で冷めたときに弾力ある状態に凝固する性質があります。耐酸性なので、酸味の強い果物にも使うことができます。

【溶解温度】80℃
【ゲル化温度】60-80℃
【再溶解温度】70-90℃


LMペクチン図に戻る

リンゴやレモン、オレンジなどの柑橘類の皮を原料とする多糖類が主成分。
HMペクチンと異なり、強い酸や大量の砂糖は必要とせず、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルで固まる性質があります。LMペクチンはナパージュなどに使用され、凍結解凍には向きません。

【溶解温度】80℃
【ゲル化温度】50-60℃
【再溶解温度】100℃以上